2008年12月25日

余録 - 毎日jp(毎日新聞)

余録:「ゆたかな社会」などの著者で、先年亡くなった… (2008年12月25日)

 「ゆたかな社会」などの著者で、先年亡くなった米経済学者のガルブレイスは小説も書いていた。邦訳は「ハーヴァード経済学教授」というが、マーヴィンという教授がその経済理論にもとづく株式投資で巨万の富を得て政界浄化に乗り出す物語だ

▲この中でマーヴィン教授は、その資力によってハーバード大の財務部門の基金運用に助け舟を出している。大学基金の運用に携わる「限りなく優秀なはずのマネジャー」も87年のブラックマンデーの株価暴落により損失を計上していたのだ

▲さて一流学者に「限りなく優秀」視されたマネジャーたちにして、今度もなすすべはなかったようだ。ハーバード大の運用基金は半年前には実に約369億ドル、3兆3000億円余もあったが、この間の金融危機により約80億ドル、7200億円余も目減りしてしまったというのだ

▲基金は前年は23%、ここ10年平均で14%の運用益を出したという。もうけも損もケタ外れの米名門大の財務だが、ただ駒沢大学がデリバティブ(金融派生商品)取引で約154億円の損失を計上したというのもよく考えれば大変な話である

▲読売新聞の調査では今年3月の決算時の全国18大学の有価証券の含み損は688億円にのぼるという。その後の株価急落を考えると、この額はさらに膨らんでいるものと見られるが、どの大学にも残念ながらマーヴィン教授はいそうもない

▲ともあれ親の失業や倒産で学業継続に窮する学生も出る昨今だ。ハーバード大は充実した奨学生制度にその財力を注いできた。資産の目減りに苦しむ日本の大学も、蓄えはこんな時のためと腹をくくって困窮学生に力を貸してほしい。


posted by (-@∀@) at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | MAINICHI | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス: [必須入力]

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/111685182
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック